遺産分割協議と債務の相続

遺産分割FAQ

遺産分割協議で債務を特定の相続人の負担とした場合の債務の請求

質問
昨年、父が亡くなりました。
法定相続人は、兄と姉、そして私の3人で、父の遺産は自宅の不動産(時価5,000万円)と預貯金2,500万円、債務が1,500万円でした。

相続人間で遺産分割の話合いを行い、不動産は今後も住み続ける兄が相続し、私と姉は預貯金の内1,000万円ずつを相続し、預貯金の残り500万円は兄が相続し、債務は兄が全額負担することとした遺産分割協議書を作成しました。

ところが、先日債権者から私宛に債務1,500万円の内500万円の支払いを求める請求が送られてきました。
遺産分割協で兄が債務は負担することとしましたので、本来であれば私は債務を負担する義務はないと思うのですが、実際にはどうなのでしょうか?

回答
遺産分割協議を行って、債務については特定の相続人にだけ負担させるよう約束しても、それを第三者である債権者に対して主張することはできません。

というのも、遺産分割の対象となるものは被相続人の有していた積極財産だけであり、被相続人の負担していた消極財産たる金銭債務は相続開始と同時に共同相続人にその相続分に応じて当然分割承継されるものであり、遺産分割によつて分配せられるものではないとされているからです。

つまり、特定の相続人がすべての債務を負担する内容の遺産分割協議を行ったとしても、それは相続人間の契約であり、債権者の承諾を得なければそれを主張することができないということになります。

よって今回のご相談では、債権者からの承諾を得ていなければ、債権者からの法定相続分に応じた債務の請求を拒むことはできないことになります。

しかしながら、債務の負担についての相続人間の合意は有効ですので、債権者に対して弁済を行った場合、兄に対して求償を求めることができます。

参考判例

東京高等裁判所 昭和37年4月13日決定

遺産分割の対象となるものは、被相続人の有していた積極財産だけであり、被相続人の負担していた消極財産たる金銭債務は相続開始と同時に共同相続人にその相続分に応じて当然分割承継されるものであり、遺産分割によって分配されるものではない。

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